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”看護師さんの仕事”というと、お医者さんの指示で動くとか、あるいはお医者さんの手助けするとか、そうしたサポート的なイメージが、一般の人にはまだあるようです。

かくいう私もかつて、出入りをさせていただいている病院の看護師さんが、「学会で発表する」といういうのを聞いて、「うわぁ、看護師さんにも学会があるんだ…」と急にその方が雲の上の方のように思え、次から緊張してうまく話せなかったのだから人のことは言えません。

今でこそ「ケアカンファレンス」とか「申し送り」とかは何をいうのか分かりますし、最近では「クリニカルパス」という言葉も覚えました。一時は看護師さんという職業を理解したい、看護師さんを知りたいという一心の思いで、いろいろな本も読みましたが、勉強になったのは、看護師さん出身の作家、小林光恵さん原作の「おたんこナース」という漫画でした。

漫画を読んで勉強になったなんて私達看護師に失礼じゃない!と起こられそうですが、ビジュアルな分、私達シロウトには現実的でよく分かるのです。

その「おたんこナース」の中で、主人公の若いナースが、あることにパニックになり、自分に向かって「落ち着くのよ、私はナースよ科学の子よ」と言い聞かせるシーンがあります。ナース…科学の子。鉄腕アトムみたいだなぁ、とそのときはしっくり来ませんでした。けれども本を読み進むにしたがって、看護師さんが何年もかかって高度で専門的な勉強をされ、リポートを書き、現場で勉強を重ねベテランの看護師さんになっていくプロセスが面白おかしくではありますが展開し、「科学の子」の意味が分かってくるのです。

一般的な目からはやさしさやあたたかさがイコール看護師のように思いがちですが、それは高い技術と共に求められるものなのだということも理解できるようになりました。

私は以前、この欄で「ナースキャップが消えていくのは淋しい」といったことを書きましたが、私たちの看護師さんに対する白衣の天使的慕情が、看護師さんという職業の、高い専門性や技術性のバリヤーになっているのかも知れません。プロフェッショナルな看護師さんは技術はもちろん人間的にも優れた方だと思います。どんな職業でも多くの場合、そういう言い方ができるのではないでしょうか。

私はかつて、サービスとはお客様のあらゆるご要望にお答えすることだと考えてきました、どんな無理難題もお引き受けすることで相手に喜ばれ、私どもがご評価をいただける、やさしい従順な葬儀社。しかし、それだけではいけないのです。ご遺族に代わって様々な手続きを代行する。限られた時間内でシステマチックに段取りを済ませ、目立ったり慌てたりすることなく、それらを確実に進める。しかもその方法はお客様の金額的ご負担が、できるだけかからない形を考えなければなりません。いうまでもなく「プロ」として、ご遺族にとっても会葬者の皆様にとっても、よりよい方法をご提案していくことに私たちの真価があるのです。

これを肝に銘じて、私もまた知識と技術と優しさをもったプロでありたいと思います。本誌の「がんばる看護部」を読んで、その取り組みに感動し、今回はこんな決意表明になってしまいました。